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イベント・MICE業界で働くには

MICEでも活躍できる!イベント業界の仕事内容は?向いているのはこんな人!

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MICEでも活躍できる!イベント業界の仕事内容は?向いているのはこんな人!

相山 華子(あいやま はなこ)

相山 華子(あいやま はなこ)
1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、ライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。

イベント業界の仕事というとライブやフェスなど多くのファンを集める華やかな催し物の仕事を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はそれらはごく一部。国際学会やセミナー研究発表会など、アカデミックで公共性が高いイベントのお仕事もたくさんあります。今回はその中でも、企業などが、ビジネスや政治、学問的なテーマのもとに開催するビジネスイベントの総称で、日本政府も推進している「MICE」 をクローズアップ。こうしたイベントでは具体的にどのような仕事があるのか、どうすれば働けるのか、また、どんな人に向いているのかなどを詳しく解説します。

CONTENTS

政府も推進する「MICE」とは?

MICE(マイス)とは、企業などが行う会議(Meeting)、企業などが行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会などが行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字を合わせた造語で、多くの集客効果が見込まれるビジネスイベントなどの総称です。

Meeting(会議、研修)

企業や団体が内部の社員や外部の関係者と行う会議のこと。

Incentive Travel(報奨・研修旅行)

企業が従業員や取引先に対して達成した目標への報酬として提供する旅行やイベント。例えば、売上目標を達成した社員を対象にした旅行などがこれに該当します。

Convention(政府主催会議、国際会議、学術会議、業界会議)

特定のテーマに関する専門家や業界関係者が集まり、知識の共有や議論を行うイベントです。例えば、科学技術や医療、ビジネスに関する大規模な国際会議や学会が含まれます。

Exhibition/Event(展示会、見本市、イベント)

製品やサービスを展示・紹介するイベントで、企業や業界団体が参加します。展示会は通常、製品や技術のPRを目的に行われ、参加者が直接製品を見て、体験できる場を提供します。

2030年までに、日本をアジアNO.1の国際会議開催国に!

MICEは世界各地で開催されていますが、開催地への経済効果が期待できるため、各国間で開催地の誘致合戦が盛んに行われています。
日本では政府が2013年 に「2030年には、アジアNO.1の国際会議開催国としての不動の地位を築く」(「日本再興戦略」平成25年6月14日閣議決定)」という目標を掲げたのを機に、現在、国を挙げてMICE、特に国際会議の開催を推進しています。

【政府目標】 

  • 2030年までにアジアNo.1の国際会議開催国として不動の地位を築く

  • 2025年までにアジア主要5カ国における国際会議の開催件数に占める割合を3割以上とし、アジア最大の開催国としての地位を奪還する(出典:20237月 観光庁「MICEの誘致・開発の促進」)

国がMICEの開催を推進している主な理由は、以下のとおりです。

  1. 経済効果の増大
    MICEには、大きな経済効果が期待できます。参加者は会議や展示会に参加するために開催地に宿泊し、食事をし、地元で観光を楽しむことが多いため、地元のホテル業、飲食業、交通機関、観光業などに大きな恩恵をもたらすからです。特に国際会議や展示会などの大規模なMICEは、開催当日のみならず、その前後にわたって長期的に地域経済に良い影響を与えると考えられています。

  2. 観光業を促進
    MICEが国内で開催されると、開催地域への観光客が増加します。特に外国からの参加者が多い場合、その地域への国際的な認知度が高まり、観光地としての魅力を世界に発信する絶好の機会になります。このため、地方自治体の多くがMICEの誘致に積極的に取り組んでいます。

  3. 国際ビジネスや学術的交流の促進
    MICEは、世界中の専門家やビジネスパーソンが一堂に会する場でもあるため、最新の技術や知識、ビジネスのトレンドを学ぶ貴重な機会でもあります。MICEを機に日本企業や研究者が国際的なネットワークを広げ、最新の情報を得ることで、国内産業の競争力向上にもつながります。

  4. 地域活性化・地方創生を後押し
    特に地方都市では、MICEの誘致が地域活性化の一つの手段と考えられています。大規模な会議や展示会が開催されることで、地方の観光業や商業施設、飲食店が活性化し、雇用機会が生まれるため、地域経済に貢献します。

MICECConvention(コンベンション)に注目!

日本政府が国際会議の開催推進を政策として打ち出したこともあり、近年ではMICEの中でも特にCConvention(政府主催会議、国際会議、学術会議、業界会議)が注目を集めています。ここでは、コンベンションについての基本情報をおさらいしておきましょう。

  1. コンベンションの主催者は誰?
    会議の場合:政府や、国内に拠点をおく学術団体や業界団体が主催者。所属する会員(主に日本人)を対象に日本国内で、年に1~数回、開催するケースが一般的です。
    国際会議の場合:政府や政府関係機関、世界各国に会員を持つ学術団体や業界団体などが主催者。学術団体や業界団体では、各団体が設けている「国際本部」が、開催都市を決定し、所属する会員(国籍を問わず)を対象に年に1回~数回開催するケースが一般的です。開催国に選ばれた国の会員が「ローカルホスト」として国際本部とのやりとりや開催準備を行います。

  2. コンベンションはどこで行われるの?
    一般的にコンベンションホールや、ホテル、大学・研究機関の施設などで行われます。 コンベンションのテーマ、参加人数や規模によっては、メイン会場と周辺のユニークベニュー(※)を組み合わせた複数会場で開催 されることもあります。
    ※「ユニークベニュー(Unique Venue:特別な場所)」とは、「博物館・美術館」「歴史的建造物」「神社仏閣」「屋外空間(庭園・公園、商店街、公道等)」などの会議・レセプションを開催することで特別感や地域特性を演出できる会場のこと

  3. どんな人が集まるの?
    コンベンションに出席するのは、主に以下のような人たちです。このほかにも、国際会議の場合は、参加者の同伴者(家族など)が参加するケースもあります。
    ・ 主催団体の会員
    ・ 団体に関係する業界や研究分野の関係者
    ・ 主催団体の事務局職員
    ・ 来賓(皇族や政治家などのVIP)

  4. 参加人数はどのくらい?
    団体の規模や会議の趣旨によって異なり、50人程度のものから数万人に及ぶものまで様々です。
    参加人数が多くなればなるほど、開催地域や国の協力が不可欠であり、地域や国を挙げての一大イベントとして盛り上がることも珍しくありません。

  5. 開催期間や内容は?
    会議によって異なりますが、おおむね1日~4日程度のケースが多くみられます。
    【スケジュール例】
    開催期間4日間の国際会議のスケジュールは例えば以下のようなスケジュールで行われます。この例のように、余裕のあるスケジュールの場合はコンベンション前後にレセプションやエクスカーションツアー(視察ツアー)など関連イベントが行われることもあります。

MICE/コンベンションでは、どんな仕事がある?

上の例のように、コンベンションにはメインイベントである会議以外にレセプションや開・閉会式、懇親会やプログラム 、講演会など多彩なプログラムが含まれるため、それらを支えるスタッフの業務も多岐にわたり、コンベンションによっては必要な業務が300種類以上となることもあります。

【コンベンション関連業務の例】

マーケティング・プロモーション

◆広告・広報活動:コンベンションの告知や参加者募集のために広告やプレスリリースを出す
◆ソーシャルメディア活用:SNSを通じて参加者との交流や情報発信を行う
◆メディア対応:取材依頼の調整やメディア向け資料の提供を行う

運営スタッフの手配

◆スタッフ募集・配置:イベント当日の運営スタッフ(受付、案内、セキュリティ、進行補助など)の手配と配置を行う
◆スタッフのトレーニング:スタッフにイベントの流れや役割を説明し、適切な対応ができるように指導する
◆通訳の手配(国際会議の場合):使用する外国語を専門とする同時通訳の手配を行う

飲食の手配

◆レセプションやパーティー、懇親会などの飲食の手配
◆ランチョンセミナー用のランチの手配
◆宗教や信念、アレルギーなどに配慮した食事の対応

物流・物品管理

◆資材・機材の手配:コンベンションに必要な物品(ノベルティ、資料、パネル、機材など)を手配する
◆配送・保管:必要な資材や機材を会場に届け、イベント終了後には撤収や返却の手配をする

デジタルツール・アプリの活用

◆イベントアプリの作成・運営:参加者がプログラム、スピーカー情報、会場案内などを確認できるアプリを開発・提供する
◆オンライン配信の準備:コンベンションをオンラインで配信するための準備(技術サポート、配信機材の手配など)

開催までの流れを見てみよう

コンベンション開催までの一般的な流れは、規模や種類によって異なる部分もありますが、基本的なプロセスは以下のようになります。この流れを見ても、コンベンションがいかに多くのスタッフによって支えられているのかが、よくわかります。

  1. 目的とテーマの決定
    目的の設定: コンベンションを開催する目的(例:新製品の発表、業界の交流、特定のテーマに関する議論、調査研究発表など)を明確にします。
    テーマの設定: 目的に基づいて、コンベンションのテーマを決定します。

  2. 開催日程と場所の決定
    日程: 参加者が集まりやすい時期や、開催地の気候、業界のスケジュールなどを考慮して日程を決めます。
    会場の選定: コンベンションの規模に応じて適切な会場を選びます。施設の設備、SDGsへの配慮の有無、さらに会場へのアクセスの良さも重要な要素です。

  3. プログラムの構築
    セッションや講演者の選定: プログラムの内容(講演、パネルディスカッション、ワークショップなど)を決め、講演者やゲストスピーカーを招待します。
    タイムテーブルの作成: 参加者が効率よくセッションに参加できるよう、タイムテーブルを作成します。

  4. スピーカーやゲストの招待
    コンベンションの内容や趣旨に即してゲストスピーカーやパネリストを選定し、参加を依頼します。講演内容や講演料の確認や調整を行い、事前に打ち合わせをします。

  5. プロモーション活動
    マーケティングと広報: SNS、ウェブサイト、プレスリリースなどを活用して、コンベンションの認知度を高め、集客の増大を図ります。
    チケット販売: 必要に応じて、参加希望者にチケットの販売を行います。

  6. 実務準備
    スタッフの手配: 会場の設営や運営を担当するスタッフを手配します。国際会議の場合は通訳の手配も行います。
    機材や設備の準備: プロジェクター、音響機器、照明、インターネット接続など、必要な機材を整えます。
    飲食の手配: パーティーやランチョンセミナーなどで参加者向けに飲食物を提供する場合、ケータリングサービスや食事のメニューを決定します。

  7. 開催当日
    参加者の受付や案内、セッションの進行を円滑に行います。
    悪天候や公共交通機関の乱れなど予想外のトラブルに備えて、スタッフの連絡体制やサポート体制を整えておくことが大切です。

  8. アフターケア
    イベント終了後に参加者へお礼のメールを送るなどして、長期的な関係性の構築につなげます。 参加者からのフィードバックを集め、次回開催時の改善点として記録しておきます。

MICE/コンベンション業界で働くには?

コンベンション開催までの一般的な流れは、規模や種類によって異なる部分もありますが、基本的なプロセスは以下のようになります。この流れを見ても、コンベンションがいかに多くのスタッフによって支えられているのかが、よくわかります。

イベント会社

イベントの企画、運営、プロデュースを行う会社で、コンベンションや展示会の立ち上げから実施までを担当します。

展示会・コンベンション会場運営会社

会場の設営、イベントの運営、施設の管理を行う企業です。展示会やコンベンションが開催される会場の運営に関わる仕事です。

イベントマーケティング・広告代理店

コンベンションや展示会のマーケティングや広報活動を担当します。広告代理店では、集客やスポンサー獲得、プロモーション戦略の立案を行います。

業界団体

特定の業界や分野に特化した展示会やカンファレンスを開催している業界団体に応募する方法もあります。こうした団体は、専門的な知識をいかしたコンベンションを扱っているため、特定の分野に興味がある場合に向いています。

企業のインハウスイベント担当

企業内でのイベント(製品発表会、大規模なカンファレンスなど)を担当します。特に大手企業では、自社の展示会やカンファレンスを開催することが多いため、担当部署に配属されれば、インハウスの担当者として働くことができます。

会議・コンベンション専門の会社

会議やコンベンションを専門に扱う企業があり、これらの企業は特定の業界や地域に向けた大規模な会議や国際的なコンベンションの運営を行っています。

求人サイトや転職エージェントを活用する

コンベンション業界の求人は、大手求人サイトや専門の転職エージェントを通じて探すことができます。これらのサイトでは、イベント・展示会運営、マーケティング関連の職種が多く掲載されています。

MICE/コンベンション業界に向いているのはどんな人? 

コンベンション業界で働く人に求められる、主なスキルや特性をまとめてみました。

  1. コミュニケーション能力
    コンベンションを円滑に運営するためには、多くの関係者と円滑に情報を共有し、調整する必要があるため、コミュニケーション能力に自信のある方は活躍できる環境だといえるでしょう。

  2. スケジュール管理の能力
    イベントの実行にあたっては細部にまで気を配り、スケジュールを管理する能力が求められます。そうした実績をお持ちの方にも活躍のチャンスがあります。

  3. 柔軟性
    イベントでは計画段階から予期せぬ変更などが起こり得ます。そうした状況に臨機応変に対応し、迅速に解決策を見つける柔軟性がある方も求められる人材です。

  4. 対人スキル
    他人との良好な関係を築き、維持するための対人スキルも重要です。チーム内で協力を得ることが容易になります。

  5. ストレス耐性
    タイトなスケジュールや高い期待に対応するためのストレス耐性も必要です。落ち着いてプレッシャーに対応する能力が求められます。

コンベンション業界では、サービス系の営業経験のある方、お客様のさまざまな要望に対応をする旅行業界やホテル業界での勤務経験のある方、顧客との会議に向けて資料の作成や更新、スケジュール調整をはじめとするオフィスでの細かい作業を行うグループアシスタントの経験がある方など、幅広い業種や業界の出身者が数多く働いています。得意なスキルをいかしながら、イベントの成功に向かって積極的かつ地道に粘り強く取り組むことができる人が、この業界で長く活躍できるでしょう。  あなたもチャレンジしてはいかがでしょうか。

まとめ

  1. MICE(マイス)は日本政府も推進する、多くの集客効果が見込まれるビジネスイベントなどの総称。大きな経済効果などが見込まれるため、各国間で誘致合戦が盛んにおこなわれている。

  2. 日本でも2030年までにアジアNo.1の国際会議開催国として不動の地位を築くことなどの目標を掲げ、国を挙げてMICEの開催を推進している。

  3. MICEの中でも特にCConvention(政府主催会議、国際会議、学術会議、業界会議)が注目を集めている。コンベンションを支えるスタッフの業務は多岐にわたり、マーケティング・プロモーションから飲食の手配まで多くの業務に携わる人が必要となる。

  4. コンベンションは開催中だけでなく、開催前から開催後まで、幅広い業務があるため、必要とされるスタッフの役割も幅広く、応募をする際には、自分が興味のある分野に応じて応募先を選ぶことが重要となる。

  5. MICE/コンベンション業界で働くには、コミュニケーション能力や柔軟性など、求められる特性がある  。得意なスキルをいかしながらチャレンジしてみよう。

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