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国際機関ってどんなところ?国際機関や政府機関で派遣社員として働いてみよう

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国際機関ってどんなところ?国際機関や政府機関で派遣社員として働いてみよう

相山 華子(あいやま はなこ)

相山 華子(あいやま はなこ)
1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、ライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。

グローバルな環境で働ける職場として人気の国際機関は、「英語力を生かしたい」、「世の中のためになる仕事がしたい」という方に最適な職場ですが、「留学経験がないと働けないのでは?」、「バリキャリじゃないと無理なのではないか」とあきらめていませんか?しかし、国際機関では、コアな仕事をする正規職員の他にも、コアタスクの人たちをつなぎ、フォローするポジションの派遣の仕事もあるのです。特別なキャリアが必要だというよりは、正確に仕事ができて、マルチタスクや気配りが得意な人に向いているポジションだと言えるでしょう。また、国際機関によく似た組織に政府機関があります。本コラムでは国際機関や政府機関の違いや仕事の内容を確認するとともに、派遣社員として働くメリットや求められるスキルなどについて解説します。

CONTENTS

国際機関、政府機関ってどんなところ?

国際機関と政府機関について、それぞれが何をしているのか簡単に、国際機関と政府機関について説明します。

国際機関とは

国際機関(International Organization)は、複数の国々が共通の目標を達成するために、設立された組織です。加盟国同士が協力して、平和維持、貿易、環境保護、医療や人権の保護など、国際社会全体に関わる様々な課題に取り組んでいます。国際機関には大きく分けて①政府間機関(Inter-Governmental Organization、IGO)と、②非政府組織(Non-Governmental Organization、NGO)があります。

① 政府間機関(IGO)

複数の主権国家が加盟する組織で、各国政府が協力して共通の目的を達成するために設立される国際的な機関です。主に安全保障、経済、環境保護、社会福祉、文化交流などの分野での協力が目的で、国際法に基づいて運営されます。

代表的な政府間機関

  • 国連(UN):国際平和と安全の維持、人権の促進、経済的・社会的な発展を目指す。

  • 世界保健機関(WHO):健康問題に関する国際的な協力を推進。

  • 国際通貨基金(IMF):国際的な金融の安定と経済成長を支援。

  • 世界貿易機関(WTO):自由貿易の促進と貿易紛争の解決を目的に設立された国際的な機関。

  • 欧州連合(EU):ヨーロッパ諸国の統合を促進し、経済、政治、法的な協力を進める地域的な国際機関。

  • アジア開発銀行(ADB):アジア・太平洋地域を対象とする国際開発金融機関

② 非政府組織(NGO)

政府から独立して活動する民間団体や組織のこと。社会的課題の解決、国際協力、人権の擁護、環境保護、災害支援など、さまざまな分野で活動しています。NGOは民間団体として自主的に活動し、営利目的ではなく公共の利益や人道的な目的を持っていることが特徴です。

代表的な非政府組織

  • 国境なき医師団(MSF):戦争や災害地で医療支援を行う国際的な人道支援団体。

  • グリーンピース:環境保護と生態系の保全を目的に活動する国際的な環境保護団体。

  • アムネスティ・インターナショナル:人権の保護と政治的な迫害の撲滅を目指して活動する組織。

  • セーブ・ザ・チルドレン:子どもの福祉向上と教育支援を行う国際的な慈善団体。

  • グローバルヘルス技術振興基金 (GHIT):マラリアなどの感染症に対する治療薬などの製品開発を支援する国際機関

政府機関とは?

政府機関は、国が設置した組織で、特定の政策や業務を実施するために運営される公的組織です。政府機関は、国民や住民に対して行政サービスを提供し、社会秩序の維持、公共の利益の実現、法律や政策の執行などを行う役割を担っています。

政府機関の例

  • 行政機関:内閣や各省庁(例:日本の総務省、経済産業省など)など、国政を執行する機関。

  • 独立行政法人:国から一定の独立性を持って特定の業務を行う法人(例:日本の国立病院機構など)。

  • 規制機関:金融庁や消費者庁など、特定の分野での監督や規制を行う機関。

国際機関や政府機関で働くには

国際機関で働くには、専門的知識や課題解決能力、語学力など幅広い知識が必要とされます。いわゆる「新卒採用」を行っていないところも多く、正規職員としての採用は非常に狭き門です。
政府機関についても、公務員試験や採用試験に合格しなければなりません。

しかし、だからといって国際機関や政府機関で働くことをあきらめる必要はありません。国際機関や政府機関の多くは、正規職員以外に派遣社員を多数採用しているからです。

では、実際にどんな国際機関や政府機関が派遣社員を募集しているのでしょうか?国際機関や政府機関への派遣業務が多数紹介されている派遣サイト「ジョブメリ」では、主に以下のような機関への派遣実績があります。

国際機関

  • アジア開発銀行研究所

  • 国際連合大学(国連大学)

  • グローバルヘルス技術振興基金

外国政府機関

  • マレーシア投資開発庁

  • カナダ林産業審議会

日本の政府機関

  • 外務省などの省庁

  • 独立行政法人など

実際の求人を見てみよう!

では、「ジョブメリ」では実際にどのような募集がされているのでしょうか?過去に掲載された派遣社員の求人を例に、国際機関への派遣条件などを見てみましょう。

例:国際機関での英文事務

【業務内容】
 国際機関でサミット、セミナー、国際会議運営をバックオフィスでサポートする業務(英文事務)

【勤務地】
 霞が関(週1~2回程度の在宅勤務可)

【応募資格】
 ・英語を使用した事務職の経験(スケジュール調整や各種手配などイベント事務局・アドミ業務経験歓迎)
 ・ビジネスレベルの英語力(実務必須、目安TOEIC850点~、社内公用語は英語)
 ・パソコンの基本的な操作、及びワード・エクセルの基本操作ができること

ご覧のとおり、一定の英語力やITスキルは求められますが、留学経験などが求められるわけではなく、英語力があれば、十分、チャレンジできることがわかります。国際機関や政府機関で働いてみたい人は、派遣社員からスタートする方法について検討してみてはいかがでしょうか。

国際機関や政府機関で働くメリットは?

では、国際機関や政府機関で働くことには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

実際に派遣社員として国際機関や政府機関で働いている人たちからは、次のような声が聞かれます。

  • 仕事を通じて社会の発展や国際平和などに貢献できる

  • 自分の興味がある分野に関係する仕事ができる

  • 現在進行形の社会課題の解決に貢献できる

  • 志(こころざし)が同じ人たちと一緒に働くことができる

  • マスコミなどが取り上げないリアルな情報を知ることができる

  • グローバルな環境で働くことで、英語力を磨くことができる

国際機関・政府機関ともに、自分の仕事を通じて社会課題の解決に貢献できること、そして興味関心がある分野で働けること、関心や志を共有できる人とともに働けることに、メリットを感じる人が多いようです。また、国際機関・政府機関ともに営利事業ではないため、原則として景気や営業成績に左右されず、待遇が安定していることもメリットの一つと言えるでしょう。また、派遣社員として国際機関や政府機関で一定のキャリアを積むことで、ステップアップすることも期待できます。さらに、多くの国際機関では業務の公用語として英語が使われているため、日々の仕事を通じて自然と英語力を向上させることができます。特に専門性の高い分野の業務を担当した場合は英語の専門用語を習得できるため、将来、その業界でさらにキャリアを積みたい人には役立つでしょう。

派遣で働くときの仕事内容は?

派遣社員の業務内容は派遣先の機関によって異なりますが、一般的には主に次のような業務を担当することが多いようです。

プロジェクトサポート

国際機関のプロジェクトに関する事務作業や進捗管理、データ収集・分析を行う。

調査・研究

特定のテーマに関するリサーチやデータ分析を担当し、報告書やプレゼンテーションを作成する。

イベントの運営

会議やワークショップ、セミナーの企画・運営をサポート。参加者のスケジュール調整や資料の準備を任されることもある。

英文事務

英語での書類管理、電話応対、メールのやり取り、会議の議事録作成など、一般的な事務業務を担当する。

広報・コミュニケーション

組織の広報活動やコミュニケーション戦略に関連する業務全般。SNSやウェブサイトの管理、プレスリリースの作成などを行うこともある。

トレーニングや教育プログラムのサポート

人材教育や研修プログラムの運営に関わる。研修結果の評価をサポートすることもある。

派遣社員は、これらの業務を通じて国際機関の運営やプロジェクトの推進に貢献しながら、スキルを身につけることができます。

求められるスキルや経験?

では、希望する国際機関や政府機関に派遣社員として採用されるには、具体的にどのようなスキルや経験があると有利なのでしょうか?もちろん、派遣先の業務にもよりますが、一般的に次のようなスキルや資格があると高く評価され、採用される可能性が高くなります。

英語力に関する資格

TOEIC: 職場での英語運用能力を測る試験。特にビジネス英語のスキルを示すのに役立つ。
TOEFL: アカデミックな英語の能力を証明する試験。英文事務でも評価されることがある。

マルチタスクの業務経験

イベントの運営、事務局業務、総務など、細かな配慮が必要とされ、多数の業務を併行して行う業務の経験。

サポート経験

プロジェクトサポート、グループ付アシスタントや秘書など、手配や資料作成など正確な事務能力が必要な仕事の経験。

基本的なPCスキル 

実務経験のほか、MOS(Microsoft Office Specialist: Excel、Word、PowerPointなど、Microsoft Officeを扱うスキルの証明)で示せるとよい。

簿記資格

簿記の知識があると、経理業務や財務関連の業務に携わる際に有利。特に日商簿記検定2級以上は評価されることがある。

どの程度の英語力が求められるのか?

国際機関で働く場合、必ずと言ってよいほど求められるのが、英語のスキルです。多くの国際機関において公用語として英語が使われており、普段の会話はもちろんビジネス文書やメールのやり取りも英語ベースで行われることが多いからです。少なくともTOEIC850点レベルの英語力は身に着けておきたいものです。

国際機関や政府機関での仕事、向いているのはどんな人?

では、国際機関や政府機関の派遣業務では、スキルや資格以外に、どのような要素が評価されるのでしょうか?
一般的には、こういった機関で活躍する人材といえば、コミュニケーション力が高く、自己アピールも得意で、リーダーシップに優れている人をイメージする人が多いかもしれません。しかし、派遣で働く場合には、次のようなタイプの人が国際機関や政府機関で数多く活躍しています。

地道な作業が得意な人

華やかなイメージがある国際機関や政府機関ですが、その仕事の多くは、書類作成や事務手続きなど、地道な作業を伴うものです。したがって、自己アピールやプレゼン力に自信がなくても、コツコツと作業に打ち込めるタイプの人や、ミスなく書類や資料を作成できる几帳面な性格の人は、存分にその能力を発揮して活躍することができます。

マルチタスクや気配りが得意な人

国際機関や政府機関において、派遣社員は原則として正規職員のサポート的な業務を担当します。そのため、自ら主導して業務を行うというよりも、正規職員の指示を確実に実行できる人、周囲の人に気配りしてチームワークがスムーズに進められるよう配慮できる人、状況に応じていろいろな役割を果たせる人、同時にいろいろな業務を進行できるマルチタスクに長けた人が活躍できるチャンスはたくさんあります。

国際機関や政府機関では、派遣先により仕事の内容はさまざまですが、それぞれの運営やプロジェクトの推進に貢献しながら、専門的なスキルを身につけることができます。派遣先から求められることは特別なキャリアの有無などではありません。決してあなたと無関係な別世界ではない、国際機関や政府機関での仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

まとめ

  1. 国際機関は、複数の国々が共通の目標を達成するために協力し合うために設立された組織。政府機関は国が設置した組織で、特定の政策や業務を実施するために運営される公的組織

  2. 国際機関や政府機関の多くは、派遣社員を多数採用している。

  3. 国際機関で働くメリットは、自分の仕事を通じて社会課題の解決に貢献できること、興味や志を共有できる人とともに働けること、景気や営業成績に左右されず、待遇が安定していることなどがあげられる。

  4. 派遣で働く場合、国際機関ではTOEIC850点レベルの英語力が必要になる。また、政府機関で働く場合も含め、コツコツ地道に仕事に取り組める人や資料作りがうまい几帳面な性格の人、そして正規職員をしっかりフォローできるマルチタスクに長けた人が求められる。

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