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外資系企業の人事が教える、日本の外資系企業に通用する英文レジュメの書き方

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外資系企業の人事が教える、日本の外資系企業に通用する英文レジュメの書き方

岡崎たかこ

岡崎たかこ
都内の小さな編集プロダクションを経て、2013年からフリーのライターとして活動。取材記事やインタビュー記事を中心に、企業広報誌や各種ウェブメディアの制作に携わる。新卒採用や転職関連のほか、グルメや旅行、子育て情報などの案件を多数手がけている。

外資系の企業で働くためには、必ず英文レジュメが必要です。本記事では、外資系企業で長年採用を担当してきた人事の視点から、選考を突破するための英文レジュメの基本と、採用担当者の目に留まる魅力的な書き方を詳しく解説します。

CONTENTS

英文のレジュメとは? 応募から採用までのプロセス

英文レジュメとは、英文で書かれた応募用の書類のことで、履歴書や職務経歴書の代わりに自身のスキルとその企業への貢献度をアピールする重要なツールです。

外資系企業とはいえ、応募から採用までのプロセスは大きく変わりません。企業によって多少の違いはありますが、基本的には募集サイトから応募し、同時にレジュメを提出。書類選考を経て、オンライン面接などの一次面接、二次~三次面接、申告したレジュメの内容に嘘偽りがないかのリファレンスチェック(経歴・職歴確認)、最終面接となります。

リファレンスチェックとは、応募者が申告した職歴や実績に虚偽がないかを確認するためのプロセスで、大手外資系企業や中途採用(特に正社員)で行われることが多いです。一方で、派遣会社などではあまり実施されないため、馴染みのない方もいるかもしれません。
なお、ここで言う外資系企業とは、海外資本の企業の日本法人や日本国内にある子会社、海外資本が一定割合以上を占める企業なども含まれます。

<応募~採用までのプロセス(一例)>

1.      応募、英文レジュメの提出

2.      書類選考

3.      一次面接(オンラインなど)

4.    二次~三次面接

5. リファレンスチェック

6.      最終面接

押さえておきたい英文レジュメのポイント

日本語の履歴書や職務経歴書とは大きく異なる英文レジュメ。その中でも特に意識しておきたいポイントがあります。

ポイント1 英文レジュメは、自身のスキルをアピールする書類である


外資系企業は基本的にジョブ型雇用を採用しています。職務内容(ジョブ)を明確にし、それに適したスキルや経験を持つ人材を採用します。そのため、外資系企業におけるレジュメは、応募者のスキルを知り、企業が募集するポジションにどれだけマッチしていて企業に貢献ができるのかを伝える書類なのです。レジュメは書類選考の最初の関門。まずは、採用担当者に興味を持ってもらうために、何をアピールすべきかを戦略的に考えましょう。

ポイント2 英文レジュメは1枚目が勝負


日本生まれ日本育ちの外資系企業採用担当者が「日本国内で日本の教育を受けていると、最も重要なことを最初に伝える慣習があまりなかった」と指摘するように、日本以外で教育を受けた人は最初に重要なことから話すマインドセットを持っています。そのため、書類でも、最初に書かれている内容が最も重要だと考えられています。レジュメの1ページ目で応募者のスキルや貢献度が伝わらなければ、その先を読まれる可能性は低くなります。

英文レジュメは1ページ目が最も大切なページであると認識し、希望職種を記載する「OBJECTIVE」と、その職種に有用なスキルや経歴の要約となる「SUMMARY」で、自身への興味を引き出します。
ここで興味を持たせ、「WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY(職歴)」へとつなげていきます。

英文レジュメに記載する項目

英文レジュメには特にフォーマットはありません。下記の記載するべき項目が、パソコンで見やすく作られていれば大丈夫です。

記載項目

  • PERSONAL DATA:氏名、連絡先

  • OBJECTIVE:目的・目標

  • SUMMARY:スキルや経歴の要約、資格

  • WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY:職歴・経歴

  • EDUCATION:学歴


この中で重要なのは、OBJECTIVE、SUMMARY、WORK EXPERIENCE(CAREER HISTORY)です。

PERSONAL DATA(個人情報)

PERSONAL DATAに記載するのは、氏名や連絡先などのみ。募集職種に適したスキルや経験があるかが最も重要なことから、生年月日や年齢、性別、国籍などは記載しません。写真の掲載も不要です。

また、外資系に関わらず多くの企業がそうであるように、レジュメなどの応募書類を送付する際、氏名などを入力する応募フォームから応募します。基本的な個人情報はここで入力されているため、カバーレターが必要ないと言えます。

<PERSONAL DATAに記載するもの>

  • 氏名

  • 住所

  • 連絡先(メール、電話番号)

<PERSONAL DATAに記載しないもの>

  • 生年月日

  • 年齢

  • 性別

  • 国籍

  • 写真

OBJECTIVE(目的・目標)

書類選考担当者が最初に目を通す項目です。応募職種に対して、目的とする希望する職種、ポジションを記載するため「希望職種」と誤解されがちですが、重要なのは「目的」や「目標」を明確にすることです。その企業に入社し、その職種でどのような成果を上げたいのか。英文レジュメのキャッチフレーズのように考え、記載します。このOBJECTIVEの内容が、採用担当者の興味を引くかどうかを左右します。

SUMMARY(スキルや経歴の要約、資格)

OBJECTIVEを見て興味を持った担当者が次に見るのが「SUMMARY」です。実際の職歴・経歴に目を通す前に、人物像をつかむための要約となります。
そのため、OBJECTIVEで記載された目的・目標の達成を裏付けるような、スキルや経歴、資格を要約し、箇条書きでわかりやすく、見やすく記載します。応募職種に関係なく、その職種への後押しとならない経歴や資格は記載しません。英文レジュメの場合、学歴は最終学歴のみを最後に記載しますが、募集職種と最終学歴の親和性が高い場合は、ここに記載しても大丈夫です。
特に成果の高かった経験を5~7つピックアップし、具体的な数値を交えて記載しましょう。

WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY(職歴・経歴)

日本語の履歴書や職務経歴書と英文レジュメで大きく異なるのが、「WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY(職歴・経歴)」の記載の仕方です。

日本語の履歴書は、新卒時から時系列で記載しますが、英文レジュメでは最新の職歴から順に記載します。記載するのは最初に、在籍期間(年月)、会社名、所在地(国・都道府県)の3つ。見出し代わりアンダーラインを引くと見やすくなります。その下に、職種・役職、その職種・役職で携わった業務と達成した内容を具体的に、箇条書きで記載します。

<記載例>

January 2020 - Present
●●● Corporation (Tokyo, Japan)
Interpreter / Translator

  • Facilitated smooth business communication by providing interpretation (Japanese English) during meetings and presentations with international clients.

  • Translated technical documents and contracts to support accurate information sharing.

  • Provided simultaneous interpretation during in-house training sessions, contributing to the development of global talent.

 

さらに、直近の職歴の中でも、応募職種に最も関係の深い職歴にボリュームを割いて記載します。たとえば、営業の募集職種に対し、自らの職歴が入社直後と直近は営業職だったものの、その間に他部署に数年在籍した場合。募集職種に関係のない部署については簡潔に触れる程度にし、直近の営業職を最も詳しく、次にその前の営業職を詳しく記載します。


なぜなら、書類選考の担当者は最初の「OBJECTIVE」で書かれた、希望する職種と達成したい目標で興味を抱いた人の「SUMMARY」を確認。その職種に就くに値するスキルや経歴をチェックし、さらにその詳細を述べている「WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY」を見て、選考するためです。この一連の流れを、選考者目線で意識し、自身に興味を持ってもらえるようなトピックを中心に記載していくことが重要です。


記載する内容は、「SUMMARY」で触れた内容をさらに詳しく記載しますが、この時も募集職種に関係するものを、簡潔な文章で具体的な数値とともに記載することを心がけます。たとえばアカウントマネージャーを3年、シニアアカウントマネージャーを3年経験していた場合、それぞれのポジションで最も達成した1~3つほどを記載するにとどめます。もし企業側が詳しく知りたい場合は、面接のときに質問されるので、そこで詳細を伝えればよいのです。



WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY記載のポイント

  • 記載する職歴は、応募職種に関係するものを直近から

  • 会社名、所在地(国・都道府県)、在籍期間を見出しにする

  • 業務内容は具体的な数値などを用いた成果とともに記載

  • 応募職種に関係する職歴を最も詳しくし、1ページ目に記載

  • 箇条書きで見やすくする

  • 関連する資格なども、ここに記載


なお、肩書や職種名(JOB TITLE)は必ず記載するようにします。肩書や職種名がない会社だった場合は、所属部署でOKです。ただし、「第一事業部」など、所属部署名だけでは業務が不明な場合は、簡単な説明を入れておきます。

転職し、複数社を経験している場合は、同様に募集職種に関係の深い会社から順番に詳しく記載します。この時、2社目以降を直近の1社目と同じボリュームで書いてしまうと全体的に同じトーンが続いてしまうため、メリハリをつけるためにも2社目以降の内容は少なめで構いません。もし、直近の1社目よりも大きく見せたいのであれば、1社目を思い切って会社名・在籍期間など必要最小限のものにして、2社目を最も詳しく紹介します。企業が直近の会社の経歴にも興味を持った場合は、書類選考後が通過となり、面接で聞いてくるはずです。答えられる準備をしておきます。

EDUCATION(学歴)

英文レジュメでは、学歴は最終学歴を記載するだけで構いません。ジョブ型雇用を採用する外資系企業にとって、学歴はそれほど重要ではないためです。

同様に資格も、募集職種に関係のない資格は記載する必要はありません。関係の深い資格は「SUMMARY」「CAREER HISTORY」に記載します。多種多様な資格を有していても、外資系企業の担当者から見ると「この人は何をしたいのか」と逆にマイナスの印象を持つ可能性があります。特に、日本の履歴書で多く記載される運転免許資格は、ロジスティクスのドライバーや、車関係のアプリケーション開発などでもない限り記載する必要がありません。

その他、英文レジュメの注意点

各項目に関係する中で、さらに細かな注意点がいくつかあります。

在籍期間は〇年〇月まで記載


WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY」に記載する在籍期間は、年だけではなく、必ず月まで記載します。1月からと12月からでは1年近く差があり、経験年数に乖離が起こるためです。外資系企業では、職種ごとの経験値を重視するため、在籍期間の詳細が重要視されます。英文レジュメに記載された内容に詐称や間違いがないか、第三者機関を利用したレファレンスチェックが行われます。加えて、入社時にも誓約書を書くため、入社後に詐称が発覚すると解雇となる可能性が高いです。在籍期間の年月は必ず確認し、正確な記載が求められます。

英文レジュメは2~3ページほど


繰り返しになりますが、「WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY」では、希望する職種に合う職歴を取捨選択して記載します。記載する内容には効果的な強弱をつけ、15年ほどの職歴があっても英文レジュメ全体で23枚程度にまとめるのが理想です。職歴が10年程度でレジュメが45枚になると、要点がぼやけ、読みにくくなってしまいます。

停職期間やフリーランスの期間は簡潔に記載


介護や育児などによる停職期間や、募集職種とは関係のないフリーランスなどの期間があった場合は、「介護に専念」「育児に専念」「フリーランスとして活動」などと記載をしておくと、経歴全体の時系列のつじつまが合います。そのうえで、面接時に質問されたときに、答えられるようにしておきます。

日本特有の資格も記載


社労士資格など日本特有の資格については、募集職種に有利なものは記載しておきます。外資系企業の日本国内子会社などでは有効です。また、TOEICも同様に記載をしますが、それほど重視していない企業もあります。英語でレジュメが提出されている時点で最低限の英語力はあると認識されているためです。

レジュメは要点をまとめる能力、プレゼン能力のアピールでもある


レジュメを23ページほどにまとめることにも共通しますが、レジュメは自らの能力を短くまとめ、魅力的に見せて興味を持ってもらうためのツールです。自分の職歴と強みをまとめ、プレゼンテーションをする能力やものを書く力やセンスを見られているといっても過言ではありません。フォントやレイアウトを整え、アンダーラインを活用することで、採用担当者に読みやすいレジュメを作ることができます。内容も、自身の成果などをすべて記載するのではなく、この人と面接して詳しく話を聞きたいと思わせるようなトピックを記載し、書類選考の通過を狙います。

日本語能力も見る


今回は英文レジュメの書き方とコツを説明しましたが、日本語の職務経歴書も選考基準としている会社も多いです。英文レジュメだけを気にされる会社もありますが、募集職種に日本語能力も求められる場合(日本での募集職種の多くが該当すると考えられます)は、日本語の職務経歴書も確認されることが一般的です。その点も意識して準備すると良いでしょう。

まとめ

  1. 英文レジュメは、スキルをアピールするツール。日本の履歴書とは異なり、自分の強みを企業に売り込むためのもの。特に外資系企業では、職務経験やスキルが最も重視される。

  2.  1ページ目が勝負!重要な情報を最初に記載。採用担当者は最初の数秒で興味を持つかを判断するため、「OBJECTIVE(目的)」と「SUMMARY(スキル・経歴の要約)」で強い印象を与えることが重要。

  3. 職歴は最新のものから記載し、成果を数値で示す。「WORK EXPERIENCE / CAREER HISTORY」では、最新の職歴を上から順に記載し、具体的な成果を数値で示すことで、説得力を高める。

  4. 英文レジュメは23ページ以内に簡潔にまとめる。長すぎるレジュメは逆効果。箇条書きを活用し、読みやすさを意識して、最も伝えたい情報に焦点を当てる。

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