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英語を活かして働くには

英語だけでは足りない?国際機関や通訳など「英語が使える職場」で活躍するために大切なスキルとは

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英語だけでは足りない?国際機関や通訳など「英語が使える職場」で活躍するために大切なスキルとは

相山 華子(あいやま はなこ)

相山 華子(あいやま はなこ)
1997年慶應義塾大学卒業後、山口放送株式会社(NNN系列)に入社し、テレビ報道部記者として各地を取材。同社退社後、2002 年から拠点を東京に移し、ライターとして活動。各種ウェブメディア、企業広報誌などで主にインタビュー記事を担当するほか、外資系企業のための日本語コンテンツ監修も手掛ける。

英語を使って働きたい!という人に人気の国際機関や通訳のお仕事ですが、実は「英語を使った仕事」で活躍するために必要なスキルは、英語力だけではありません。むしろ英語力はあって当たり前であり、条件の良い仕事ほど英語力+αの能力が求められます。では、「英語が使える職場」で活躍するためには、具体的にどんなスキルを身に付けておくべきなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

CONTENTS

英語は単なる「道具」に過ぎない

グローバル化がますます進む中、国際機関での仕事や、通訳・翻訳など英語を使う仕事は増え続けています。「英語力を生かして、国際的な職場で働きたい」、「英語力を磨いて通訳として活躍したい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
もちろん、英語力は就職や転職の際には大きな武器になる能力であり、皆さんの可能性を大きく広げてくれる重要なスキルです。英語を使う仕事を目指している人、現にそういった仕事をしている人は、常に英語力のブラッシュアップに努め、ビジネスレベルの英語力を維持する努力が欠かせません。
しかし、当たり前のことではありますが、英語はあくまでも仕事を進めるための「道具」です。「英語を使う仕事」の目的は英語を話したり書いたりすることではなく、英語のコミュニケーションによって、その団体や企業のゴールを達成に導くことにあります。

例えば英語を使う仕事が豊富に紹介されている求人サイト「ジョブメリ」で、実際に「英語を使う仕事」として紹介されている求人の例を見てみましょう。

「英語を使う仕事」の求人例

【求人案件名】大手レコード会社 SNS/デジタル関連業務
【時給】2,000円~
【職種】SNS・デジタル関連業務仕事内容: 
・社内レーベルとコミュニケーションや情報のやり取り
・Spotify,Amazon Musicなどの音楽配信パートナーの窓口・海外とのフォーラム等を通し、グローバルからの情報等を把握し、社内レーベルなどへアウトプット
・効果分析、改善案や成功事例を社内に展開
・マーケティングチームや広告チームなど他部署へのタイムリーな連携
・他部署と連携して納品などのサポートなど
・営業先へのアーティストアテンド

このように、単に英語を読み書きするだけでなく、幅広くデジタル関連業務を英語を使って行うことが求められています。

さらに、「通訳・翻訳」についても、実際にジョブメリに掲載されている求人案件を例に見ていきましょう。

「通訳・翻訳」の求人例

【求人案件名】外資系ITコンサル企業での通訳・翻訳
【時給】3,500円
【職種】通訳・翻訳
仕事内容:大手農機具メーカーのPLMシステム実装に関わるプロジェクト付き通訳
・通翻訳業務 ※メイン
・議事録作成や会議後のプロジェクトメンバーへの連携などの業務
※通訳:8割 翻訳:2割
※同時通訳:9.5割 逐次通訳:0.5割

こちらの案件では通訳・翻訳の対象が「大手農機具メーカー」の業務に限定されていることから、メイン業務である通訳・翻訳を行うためには農機具やシステムに関する理解が必要であることがわかります。また、議事録作成やメンバーへの事後連携など、通訳以外の事務的な業務を行うことも求められています。

通訳者になるために身に着けるべきスキル

では、通訳者として活躍するためには、英語力以外に具体的にどのようなスキルが必要なのでしょうか?

通訳者になるためには、通訳学校に通うなどして通訳スキルを身に着けることが必要です。通訳スキルは、基本的な英語力とは異なるスキルだからです。また、派遣の社内通訳者の場合は会社内で働くので、社内の人たちと円満に仕事をすることが必要です。例えば社内で働く上での基本的なビジネスマナーを理解し、チームワークができることや、柔軟性を持って仕事にあたるなどのオフィスワークのスキルが求められます。

社内通訳者に必要なビジネスマナー

社内通訳者にはもちろん、通訳の高いスキルがあることが重要です。一方で、派遣の社内通訳者の場合、派遣先のスタッフとコミュニケーションを取りながら仕事をすることが必要なので、ビジネスパーソンとしての基本的なマナーも欠かせません。特に気を付けたいのは以下のようなポイントです。

清潔感のある服装を!

特にクライアントからの指定がある場合を除き、一般的にはビジネスシーンにふさわしい清潔感のある服装が求められます。男女ともに派手すぎず、落ち着いた色合いや模様の服を選びましょう。

時間厳守は基本中の基本

言うまでもなく時間厳守は大前提です。普段の出社時間はもちろんのこと、通訳なしには会議や商談が進められませんので、遅刻は厳禁です。途中で何らかのトラブルがあっても遅刻せずに済むよう、約束の時間より少し早めに到着するようスケジュールを立てましょう。事前に通訳機器や資料をチェックするためにも、早めの到着を心掛けてください。電車の遅延などで、どうしても遅刻してしまいそうな場合は、早めに担当者に連絡することが大切です。

適切な言葉遣いと態度を!

職場での会話だけでなく、通訳の現場でも基本的に敬語や丁寧な言葉遣いを使い、無駄な発言は控えましょう。特に通訳対象者がフランクな口調や態度で話す人の場合は、相手につられて通訳者までフランクにならないように要注意です。あくまでもビジネスライクな言葉遣いと態度を貫きましょう。

通訳内容の口外はNG!機密保持を徹底しよう

会話の内容が商談や会議に関わる重要な情報を含んでいる場合、通訳者は機密情報を守る責任があります。秘密保持契約(NDA)に署名を求められることも珍しくありません。重要な内容を外部に漏らさないように、例え家族であっても会議等などの内容を口外しないようにしましょう。また、オンライン通訳の場合は、機密が保持できる環境で行うことが重要です。カフェなど不特定多数の人が出入りする場所での実施は避けてください。

気持ちの良い挨拶を!

挨拶はビジネスマナーの基本中の基本です。職場についたときも、通訳の現場でも、まずは、こちらから「初めまして」「よろしくおねがいします」と気持ちよく挨拶をしましょう。言葉の通じない人を相手にする会議や商談を前に緊張している人も少なくないもの。相手の言葉で挨拶することで、緊張の糸がほぐれることもあります。

 ITリテラシーを高めよう!

コロナ禍以降、オンライン通訳が一気に普及しました。オンライン通訳に使用する会議用ツールは、企業によって異なります。クライアントの要望に合わせて、どのようなツールにも対応できるように、会議の前に必ず音声や画像をチェックしておきましょう。また、ツールの機能(録画、資料の提示、チャットなど)は日々進化しています。派遣先にその都度確認は必要ですが、便利な機能を使いこなすためにも、「このツールや機能は使ったことがないから」と躊躇せず、積極的に新ツールや機能を使ってITリテラシーを高めましょう。

基本的なオフィスワークスキル

社内通訳者は、単に通訳を行うだけでなく、以下のような事務処理を正確に行う能力も重要なスキルです。

スケジュール管理

派遣の社内通訳者の場合、部署付きの通訳やプロジェクト付き通訳として一人で仕事をすることもあるのでスケジュール管理は大切です。

会議の報告書や議事録作成

社内通訳者は会議通訳などを行った後、通訳の仕事以外に簡単な報告書や議事録の作成を求められることがあります。その場合は、会議の要点をまとめ、後で参照できる形に整理する能力が必要となります。

社内通訳者がこれらの業務に不安なく対応できると、社内での信頼関係が築きやすく、業務をスムーズに進行できるようになるでしょう。

国際機関で働くのに必要な英語力+αのスキルは?

国際機関では多国籍な人々が集まる環境での協働や専門的な業務が求められるため、英語力に加えて主に以下のように幅広いスキルが必要です。

異文化理解と適応力

異文化コミュニケーション能力

国際機関では、多様な文化的背景を持つ人々と協力しながら仕事を進めるため、文化的な違いを理解し、尊重する能力が必要です。例えば、ある文化では直接的な表現が一般的で、別の文化では遠回しな表現が好まれることがあります。こうした違いを敏感に察知し、適切に対応できる力が求められます。

多様性への適応

性別、人種、宗教、価値観などの多様性を尊重し、それを前提に協働できる能力が必要です。

国際的な視野と問題解決能力

グローバルな視点

国際機関では、地球規模の問題に取り組むことが多いため、世界の政治、経済、社会問題に対する理解と関心が求められます。たとえば、SDGs(持続可能な開発目標)や気候変動、貧困問題などに対する知識があると有利です。

問題解決能力

国際機関での仕事はしばしば複雑で多面的な問題を扱うため、創造的で効果的な解決策を見つける能力が求められます。また、柔軟に状況に対応する能力や、長期的な視点で物事を考える力も重要です。

協働力とチームワーク

協力的な姿勢

国際機関では、多様なバックグラウンドを持つメンバーと協力しながら仕事を進めるため、チームワークが非常に重要です。共通の目標に向けて協力し合う姿勢が求められます。

リーダーシップ

チームをまとめ、プロジェクトをリードする能力も求められることがあります。異なる意見や価値観を尊重しながら、チームを効率よくまとめるスキルが重要です。

このように、国際機関で働くためには英語力以外にも多岐にわたるスキルが求められます。自分の専門分野を深めつつ、国際的な視野で多様なスキルを身につけることが、国際機関での成功につながります。

英語力以外のスキル、どうやって身に付ければいい?

では、英語を使った仕事で活躍するために必要な「英語力以外のスキル」は、どのようにして身に付ければよいのでしょうか?
通訳の場合、国際機関の場合それぞれについて確認しておきましょう。

通訳の場合、まずは通訳訓練学校へ行くのが基本

基本的に英語学習だけで優れた通訳として活躍するのは困難です。話し手の言葉を聞きながら、瞬時に訳して話すという通訳ならではのスキルを身に付けるために、まずは通訳訓練学校で学んでから実務経験を積んでいくのが一般的です。通訳訓練学校では、サイト・トランスレーション、クイック・レスポンス、サマライジング、リプロダクションなどの通訳訓練法を通じて通訳者として必要なスキルを体系的に学び、実践的なトレーニングを受けることができます。主に以下のような内容を学ぶことができます。

メモ取りとノートテイキング

通訳において、特に逐次通訳を行う際に重要なスキルとして、メモ取りの方法(短縮記号を使うなどして効率的に重要な情報をメモする方法)を学びます。これによって長時間話される内容を忘れずに、重要なポイントを的確に伝えられるようになります。

リスニング

通訳の基本は「聞く力」にあります。訓練校では、異なるアクセントや話し方を理解し、正確なリスニング力を養います。リスニングトレーニングでは、特に以下のポイントが強化されます。
・発音の違いに慣れる: アクセント、方言、速さなどのバリエーションに慣れる
・専門的な内容に対応する: 法律、医療、経済など特定の分野のリスニングトレーニングを通じて専門用語に触れる

語彙力と専門用語

通訳者には、日常的な語彙だけでなく、専門的な語彙も必要です。このため、通訳訓練学校では様々な分野における専門用語を学びます。これにより、特定の業界や分野に関する通訳を行う際に、適切な語彙を使えるようになります。

通訳倫理とプロフェッショナリズム

通訳者は、どんな状況でも中立を保ち、正確に訳す責任があります。通訳学校では、通訳者として守るべき倫理規定やプロフェッショナリズムについて学びます。
・中立性の維持: 自分の意見や感情を訳に反映させない
・機密保持: 機密情報を取り扱う際の注意点
・プロフェッショナリズム: クライアントとのコミュニケーションや、会話における注意点など

テクノロジーの活用

最近では、通訳に関連するツールや技術がますます多様化しています。通訳学校では、オンラインで行われる会議やイベントで通訳を行うリモート通訳技術など、最新の技術やソフトウェアを使いこなす能力も学ぶことができます。

国際機関で活躍するために経験しておきたいことは

国際機関で活躍するためには、英語力と前述のスキルに加え、経験しておきたいのがマルチタスクに対応できるオフィスワークの実務経験です。

国際機関ではプロジェクトに応じて様々な業務が発生するため、どんな業務にも柔軟に対応できる人が求められます。秘書やアドミ業務、総務部門や事務局などで1年以上の経験がある方は有利になります。
自分の役割を限定し過ぎることなく、派遣社員などで様々な業務経験を積み、マルチタスクを身に付けましょう。そうした経験により、スケジュール管理やタスクの優先付けが可能になります。
あわせて、ソフトウェアの習熟も大切です。積極的にチャレンジしていきましょう。

まとめ

  1. 英語力は就職や転職の際には大きな武器になる能力だが、「英語を使う仕事」の目的は英語のコミュニケーションによって、その団体や企業のゴールを達成に導くことで、英語を使って多彩な実務を行うことが必要となる。

  2. 通訳者になるためには基本的な英語力のほかに、通訳スキルが必要となる。また、社内通訳者の場合は基本的なオフィスワークのスキルも求められる。

  3. 国際機関で働くのに必要なスキルも英語力だけではなく、異文化への理解や適応力、国際的な視野と問題解決能力などが求められる。

  4. 英語力以外のスキルを身につけるには、通訳者は実践的なトレーニングが受けられる通訳訓練学校で学ぶことが基本となる。国際機関で活躍するためにはマルチタスクに対応できるオフィスワークの実務経験も必要となる。

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