
多様化するライフスタイル。DINKsは老後にどう備えるべき?
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CONTENTS
働き方の変化
働き方改革やテレワークの普及により、仕事の仕方が大きく変わりました。例えば、フリーランスや副業を選ぶ人が増え(*1)(*2)、また、都心ではなく地方で生活しながらオンラインで働く人々も増加 しています(*3)。これにより、仕事とプライベートのバランスが柔軟に取れるようになり、ライフスタイルの選択肢が広がりました。
(*1) 出典:ランサーズ株式会社「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」
(*2)出典:財務省「副業・兼業の現状と今後」
(*3)出典:国土交通省「令和5年度テレワーク人口実態調査」より
家族構成の多様化
結婚や子育てに対する考え方が変わり、内閣府男女共同参画局が公表しているデータでは、未婚率の増加や、共働き家庭の増加、単身世帯の増加などが見られます。また、ダイバーシティが尊重され、多様な家族の形が社会に受け入れられるようになりました。
テクノロジーと生活の変化
スマートフォンやIoT、AI技術の進展により、生活がより便利で効率的になっています。例えば、スマートホーム技術や健康管理アプリなど、テクノロジーが生活のあらゆる側面に浸透し、個々のライフスタイルに合わせた使い方ができるようになりました。
多様化するライフスタイル
近年、日本ではライフスタイルの多様化が加速しており、これまでの慣習や固定観念にとらわれることなく、自分や家族に最適なライフスタイルを自由に選んで生活する人が増えています。
ライフスタイルの多様化の背景には、テレワークやフリーランスなどの働き方の変化、少子化、シングルペアレント家庭の増加などの家族の在り方の多様化、インターネットやスマートフォンなどの普及によるテクノロジーの進化があるといわれています。
DINKsとは?最近、増えているって本当?
ライフスタイルの多様化の象徴として、しばしば注目を集めるのがDINKsです。
DINKs(ディンクス、Double Income, No Kids)とは、「共働きで子どもがいない夫婦」、つまり夫婦両方が仕事をしていて、子どもがいない家庭、もしくは持たない選択をしている家庭のことです。
DINKsという言葉は、女性の社会進出が進んだ1980年代にアメリカで使われるようになったとされており、日本でも1990年代から盛んに使われるようになりました。
実際、日本でも近年、共働き夫婦が増え続けており、総務省の調査によると1980年に全体の49.3%に過ぎなかった共働き世帯は、2020年には全体の69.4%を占めるまでに増えています。
(cap)出典:総務省 令和2年国勢調査「ライフステージで見る日本の人口・世帯」
共働き夫婦の増加とともに子を持たないDINKsも増えていると言われていますが、DINKs世帯の実数についての公的な調査結果はありません。
ただ、厚生労働省が行った第16回出生動向基本調査(2021年)によると、結婚持続期間5~9年の夫婦のうち、子どもがいない夫婦の割合は1977年には全体の4.2%でしたが、2020年には全体の12.3%と約3倍に。子どもを持たないという選択をしている共働き夫婦は着実に増え続けているようです。
DINKsのメリット/デメリットは?
では、DINKsにはどのようなメリット/デメリットがあるのでしょうか?
夫婦にはそれぞれの事情があるため一概には言えませんが、DINKsには一般的には次のようなメリット/デメリットがあると言われています。
【DINKsのメリット】
DINKsのライフスタイルは、経済的・時間的な自由度が高く、個々の価値観に合わせて柔軟に暮らせる点が大きなメリットです。
経済的な余裕がある
◆二つの収入源:夫婦両方が働いているため、2人分の収入が得られ、経済的に安定しやすくなります。高価な商品やサービスにお金を使い、質の高い生活を送ることができます。
◆生活の自由度が高い:子供がいないため、教育費や育児にかかる費用がなく、より自由にお金を使うことができます。
自由な時間が多い
◆自由な時間:子供がいないため、夫婦は自分たちの時間を自由に使うことができます。旅行や趣味、リラックスする時間など、個々のライフスタイルを大切にできます。
キャリアパスが描きやすい
◆キャリアアップの機会:仕事により多くの時間とエネルギーを注ぐことができ、キャリアの追求がしやすくなります。転職や昇進の機会も増え、キャリアアップがスムーズです。
◆仕事とプライベートのバランス:育児に時間を取られないため、仕事とプライベートのバランスをよりコントロールしやすくなります。
ライフプランを柔軟に選びやすい
◆将来の選択肢が広がる:子供を持たない選択をしているため、引っ越しや転職、早期リタイアなど、ライフプランを柔軟に選びやすくなります。
【DINKsのデメリット】
一方、DINKsには次のようなデメリットがあります。
浪費しがちとなる
◆2人分の収入があるため、「このくらい使っても大丈夫だろう」という油断もあって、浪費しがちになる傾向があります。
将来のライフプランへの不安
◆サポート不足:老後に体調が悪くなったり、介護が必要になったりした場合、家族にサポートが頼めない懸念があります。
また、子供がいないため、将来孤独を感じることがあるかもしれません。特に2人のうちどちらかが先に亡くなった場合、一緒に過ごす家族がいない点に不安を覚える人も少なくありません。
DINKsの老後資金、どのくらい必要?
2人とも働いている間は、子育て世帯に比べて自由に使えるお金が多く、浪費傾向が高まりがちなDINKsですが、老後は日常生活や介護をパートナー以外に頼ることができない分、老後資金の備えが必要です。では、DINKsが老後を安心して過ごすには、どのくらいの資金が必要なのでしょうか。
少し前に「老後2000年問題」(老後を快適に過ごすには年金+2,000万円の自己資金が必要)が話題を集めましたが、「2,000万円」はあくまでも目安の一つであり、すべての人に2,000万円が必要ということではありません。まずは、現状の1か月間の基本的な生活費を書き出し、これをもとに自分たち夫婦が快適な生活を送るにはどのくらいの金額が必要なのかを、算出するとよいでしょう。
例えば現在、2人で基本的な生活費として1か月に30万円、1年で360万円を使っているばあいは、リタイア後に20年間の老後生活を快適に過ごすためには、単純計算すると360万円×20年=7,200万円が必要ということになります。
DINKsがどのくらいの年金を受給できるのかは、それぞれの雇用形態や収入などで異なります。
日本国年金機構は令和6年4月分からの年金額を公開していて、昭和31年4月2日以後生まれの方に支給される年金額(月額)は23万483円となっていますが、妻が専業主婦で、夫の平均報酬月額が43万9000円であることをモデルとしたものなので注意が必要です。
参考:令和6年4月分からの年金額等について(日本年金機構ホームページ)
それぞれの状況に応じた支給額は、厚生労働省が公的年金シミュレーターをWeb上で公開しています。年金定期便が手元にあれば、簡単に試算ができるので、把握しておきましょう。
参考:公的年金シミュレーター(厚生労働省ホームページ)
支給される金額で足りるか、足りないかは、2人が希望する生活レベルによって異なります。年金だけで不安な場合は、1日も早く老後への備えを始めましょう。
なお、DINKsの場合、お互いの経済状況について把握していないことが多いので、機会を作り、お互いの貯蓄額・資産の内訳などを書き出して把握しておくことが大切です。
豊かな老後のために今できることは?
では、老後への経済的な備えとして、今からできることは何でしょうか?
不動産投資や株式投資、NISAやiDeCoなど様々な情報があふれていますが、老後の備えの基本は「節約と貯蓄」です。投資は必ずリスクを伴うものなので、あくまでも節約と貯蓄を実践した上で、余裕資金で投資をする程度にとどめておくことが大切です。
老後への備えの第一歩は節約=無駄な支出の見直しです。DINKsは夫婦それぞれに収入があって、子どもを養育する必要がかからない ので自由に使えるお金が多く、ついつい無駄な支出をしてしまいがちです。お互いの貯蓄額と資産の内訳を把握したうえで、2人の1か月の支出を書き出して無駄を見直してみましょう。見直しの効果が特に大きいのは「保険料」と「住まい」です。
保険を見直そう
保険の見直しでは以下の点をチェックしましょう。
ライフステージに適した保障内容か?
自動車や住宅の購入などライフステージの変化に合わせて、必要な保険内容や保障額を見直しましょう。
保障内容が重複していないか?
複数の保険に加入している場合、保障内容が重複していないか確認し、無駄な保険料を削減します。
保険料が適切かどうか?
保険料が家計に負担になっていないか確認し、より安価で同等の保障が得られる保険に乗り換えることを検討します。
住宅金利上乗せ型の団体信用生命保険の検討
住宅ローンを設定するときに、借主に万が一のことがあった場合に備え、住宅ローンの残高に充当される団体信用生命保険(団信)に加入しますが、金利を上乗せすることで、特定の疾病などをカバーする団信があります。住宅購入の機会に保険の見直しとともに検討してみましょう。
住まいを見直そう
住まいの見直しについても、以下の点をチェックしましょう。
維持費や管理費が負担になっていないか?
住宅の維持管理にかかる費用や、老後に支払う税金(固定資産税など)を見積もり、家計に負担をかけすぎないようにしましょう。高額な維持費の家は、老後の生活に影響を与える可能性があります。
家が2人には広すぎないか?
広い家は快適ですが、冷暖房費や維持管理費、固定資産税が高くなりがちです。コンパクトで管理がしやすい住宅(例えば、マンションやバリアフリー住宅)への住み替えを考えることも一つの選択肢です。バリアフリー住宅や環境配慮型の住宅は、一般的には資産価値が高く資産化されやすいと考えられています
無理なくで働いて、老後資金を増やそう!
節約や貯蓄、そして投資と同時に、老後資金確保のためにぜひ実践したいのが、「働き続けること」です。かつては、60歳で定年退職して余生は家で悠々自適に・・・というライフスタイルが一般的でしたが、今は人生100年時代。60歳といえば、まだまだ人生の折り返し地点を過ぎたばかりで、隠居生活に入るのは早すぎます。実際、周囲を見てみると、今の60歳は昭和時代の60歳に比べてはるかに元気で若々しいですよね。健康に問題がないのなら、可能な限り働き続けることも1つの選択肢です。老後も可能な限りで働き続けると、次のようなメリットがあります。
経済的安定
定年後の収入源を確保でき、年金だけでは不足しがちな生活費を補うことができます。
社会とのつながり
仕事を通じて社会との関わりを持ち続けることで、孤独感を軽減し、精神的な健康を保つことができます。
自己成長と充実感
仕事を続けることで新しいスキルを学ぶことができるなど、達成感や充実感が得られます。
生活リズムの維持
働き続けることで規則正しい生活リズムが保たれ、健康的な生活がしやすくなります。
健康維持
仕事を通じて身体を動かす機会が増え、精神的・身体的に活発でいられることが、健康維持にもつながります。
とはいえ、「元気とはいえ、若いころと同じようには働けない」、「仕事だけでなく自分の時間も楽しみたい」という方も多いことでしょう。そんな方に最適な働き方が、「派遣」です。派遣なら、正社員などと違って、就業日数や時間をあらかじめ契約で決めた上で働くことができるので、無理のない範囲で働くことができます。また、基本的に転勤や部署異動もないので、仕事のためにライフスタイルや生活環境が変わる心配もありません。基本的に役職につくこともないので、不得意な仕事や未経験の仕事に振り回されるリスクもありません。
日本ではまだ「派遣社員」というと一般事務の仕事をイメージする方が多いかもしれませんが、実際には通訳や翻訳、経理や貿易事務など高い専門性や英語力が必要な求人も多数あります。この機会にぜひ、実際の求人をチェックして、業務内容や待遇などを確認し、自分の経験や能力が生かせそうな業界をチェックしておくことをおすすめします。
DINKsの身軽さを生かして、適度に働きながら、健康を維持し、収入を資産にプラスして充実した老後に備えましょう。
ジョブメリ https://www.jcsstaff.jp/
まとめ
ライフスタイルの多様化が加速する中で、DINKs(共働きで子どもがいない夫婦)が増加している。
DINKsは経済的・時間的な自由度が高く、個々の価値観に合わせて柔軟に生活できる点が大きなメリットだが、浪費しがちになる、将来への不安などのデメリットもある 。
DINKsは経済的・時間的な自由度が高く、個々の価値観に合わせて柔軟に生活できる点が大きなメリットだが、浪費しがちになる、将来への不安などのデメリットもある 。
保険の見直しや住まいの見直しで無駄な支出をチェックすることが大切。そして、老後資金を増やすためにも、DINKsの身軽さを生かして長く働くことを検討したい。その一つの手段として、派遣で働くことを考えてみよう。

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