ワーキングホリデー(ワーホリ)はゴールじゃない!キャリア迷子にならないための実践・準備ガイド
UPDATE
8分
CONTENTS
海外で就労経験を積めるワーキングホリデー制度

ワーキングホリデー(ワーホリ)制度は18~30歳を対象に、二国・地域間の取決めに基づき、相手国・地域で観光旅行費や滞在費を補うための付随的な就労が認められる制度です。1980年にオーストラリアとの間で制度がスタートして以降、ニュージーランドやカナダなど対象国・地域は増加し、制度開始から45年以上が経った現在は、31か国・地域との間で導入されています。
国や地域によって、滞在期間や年間の受け入れ人数、回数などは異なりますが、就労ビザではなくても条件付きで働くことができることから、近年では語学学習を兼ねたキャリア構築の一環として活用する人が増えています。
ワーキングホリデービザ制度のある国・地域
オセアニア
オーストラリア、ニュージーランド
北米
カナダ
アジア
韓国、台湾、香港
ヨーロッパ
フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、アイスランド、チェコ、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、ラトビア、ルクセンブルク、マルタ、フィンランド
南米
アルゼンチン、チリ、ウルグアイ
※2026年2月1日現在
「ワーキングホリデーに行けば、キャリアは何とかなる」は誤解

ワーキングホリデーでの経験をキャリアに活用するには、戦略が必要です。渡航前であれば事前準備が、渡航後であれば海外で得た経験の棚卸しを行い、それをどのように組み立てて就職活動に反映させていくかという視点が大切です。
ここでは、ワーキングホリデーでキャリアをアップさせるための注意点を紹介します。
「英語力があれば仕事は見つかる」とは限らない
英語をはじめとした現地の語学力が一定以上あっても、仕事が見つかるわけではありません。日本と同様に、海外でも「職歴」が重視されるためです。
特にワーキングホリデーは、短期間就労が前提です。それは、即戦力が求められるということです。現地で働く以上、現地の言葉を理解し、話せる人が有利になるのはもちろんですが、同じ語学力であれば、募集業務に該当する職種の経験者が求められます。その職種が未経験であっても、アルバイトを含む就業経験があるほうが採用率は上がります。
語学力はあくまでもスタートラインです。現地でどのような仕事をしたいのか。そのための武器となるものが語学以外にあるのか。「海外で働きたい」という漠然とした憧れだけではなく、具体的な姿を思い描き、そのための戦略を立てる必要があります。
海外でも、オフィスワーク経験がないと接客業が中心になりやすい現実
求められるのは即戦力のため、業務経験のない人は採用されにくいものです。結果として、未経験者でも募集があり、短期・流動的な雇用が多い、カフェやレストラン、小売などの接客業になりやすいのが現実です。
接客業は、積極的に会話を交わすことで生きた日常英会話に触れることができ、異文化対応力が得られます。外国語圏の人たちとのコミュニケーション力アップとしては非常に大きな経験となりますが、反面、ビジネス英語の習得といった観点では厳しいと言えます。
帰国後も、引き続き「オフィスワーク未経験」
大学卒業後すぐ、または転職との間にワーキングホリデーに赴いた場合、帰国後の就職は基本的に中途採用扱いとなります。第二新卒として見られる場合でも、最初の就職で基礎的なビジネスマナーやPCスキルを身に付けていることが期待されているため、社会人経験がまったくない新卒とは企業の期待度が異なります。
語学力に関しても、「英語ができる」だけで応募できるケースは多くありません。求人の応募資格には、TOEICの点数に加えて「ビジネス英語の読み書きができる」といった条件があるものが主流です。たとえば、過去にあった国際機関のイベント事務局の募集では、英語を使った事務経験や、ビジネスレベルの英語力、Word・Excelの基本操作が応募条件に記載されていました。外資系企業の部門アシスタントでも、企業での事務・アシスタント経験に加え、英語での実務対応力が応募条件でした。これらの求人例を見ると、重視されているのは単なる語学力ではなく、「英語を使いながら事務や調整業務を回せる実務経験」だとわかります。
派遣を活用してキャリアの土台をつくる

英語を活用するオフィスワークの仕事に就くには、英語力とオフィスワークの経験の両方が求められます。その最初の経験を積むために活用できるのが派遣勤務です。派遣全体の求人のうち、2~3割程度は、オフィスワーク未経験でも就業が可能です。目指したい最終的なキャリアに向けて、必要な経験・実績を派遣で構築するのも一つの手段です。
ワーキングホリデーに行く前なら......
事前に派遣でオフィスワークの実績を積んでおくと、それが英語を活用したものでなくとも「オフィスワーク経験あり」と伝えられます。
ワーキングホリデーから帰ってきた後なら......
英語力は他の手段でキープしつつ、英語の使用頻度や業種・雇用形態にこだわらず、まずは未経験OKの派遣求人を活用して、オフィスワークの実績づくりから着手しましょう。
帰国後でもキャリアの土台づくりは間に合います。前述した現実的な課題に対して、それぞれの解決案をご紹介しますので、参考にしてください。
派遣で働くメリットとは
改めて、派遣のメリットを確認します。
さまざまな業務、業界、職場を経験できる
派遣は、基本的に期間限定であるため、さまざまな企業で働くことができます。自分の力が発揮しやすい業務や興味のある業界などを試すことができます。
業務範囲、責任範囲が明確
契約時に業務内容が決められているため、会社行事への参加は強制されません。また、いきなり責任の重い業務にも就かないため、人間関係のストレスが少ないと感じる人は多いようです。
スキルアップの勉強時間が確保できる
残業が少ない仕事も多く、語学や資格取得などスキルアップの勉強時間が確保しやすいと言えます。
解決策1:ワーホリの事前準備をする。派遣でオフィスワークの実績づくり
正社員だと未経験可の求人数は非常に少ないですが、派遣なら大手企業からベンチャー企業まで比較的多くあります。大手企業なら業務マニュアルが揃っているため未経験でも就業しやすく、ベンチャー企業ならやる気を評価するポテンシャル採用が多いため採用されやすくなっています。また、派遣会社による事前のスキルチェックがあることから、スキルと大きく乖離するような業務になる可能性が低いのも、求職者にとっては安心です。
なお、オフィスワークで得られる経験としてはExcelなどのOAスキルを使った業務経験、メール・社内外対応の基礎が挙げられます。特にExcelやメール対応は、プライベートや大学、研修などで「使うことはできる」「操作はできる」という方は多いのですが、実は「実際に業務で使用した実務経験」が重視されるスキルです。
最初は業界や業種にこだわることなく、半年でも良いのでオフィスワークの実績を積むことを目的とすると、キャリアアップへの道が開きやすくなります。
解決策2:帰国後の戦略的なキャリア構築を派遣で実現
すでにワーキングホリデーを終えて帰国しており、現地滞在中にオフィスワークを経験できなかった場合でも、今からキャリアの道筋を立てることが可能です。正社員採用に求められる実務経験の習得時期が違うだけなのです。
ポイントは、ワーキングホリデー出発前と同様に業種や就業条件にこだわりすぎずに、まずは派遣で経験を積み、段階的に良い条件の企業へのステップアップを狙うこと。Job Merit(ジョブメリ)を活用した人の中にも、実際にキャリアアップを重ねて、英語を使った仕事やインバウンド事業の企画・運営、外資系企業に就職した人もいます。
キャリア形成は一足飛びには構築できません。希望する業務内容、就業時間、勤務地など、すべての条件を満たす求人はなかなかなく、あった場合でも実務経験が豊富でよりスキルの高い人が有利となります。条件にこだわり過ぎると職歴の空白期間が長期化する可能性があり、スキルが身に付いてから働き方などの条件を加えていくほうが、最終的には近道といえます。
ステップアップの実例
キャリアステップ
オフィスワーク未経験で留学
↓
空港のブランドショップ販売職
↓
ホテルコンシェルジュ
*合間にアテンド通訳・VIPへの接客
↓
事務局業務
属性・雇用形態
学生
派遣社員
派遣社員
スポット派遣
紹介予定派遣から
正社員へ
身につけたスキル・経験
現地の生きた英語を習得
接客力、語学力の維持・向上
ビジネスメール対応やPC操作
語学力の維持・向上、接遇力
VIP会員を中心とする
非営利法人で活躍中
ステップアップ事例のポイント
ホテルのフロントやコンシェルジュなどは、顧客のデータ管理やビジネスメール対応、ビジネス英語での会話なども発生する仕事です。特に、ホテル業界内やVIP対応が発生する業務で、キャリアアップのチャンスが掴みやすくなります。ホテル業界であれば、マネージャーやホテル支配人などの職種につながる可能性があります。VIP対応が発生する業務では、秘書やグループアシスタントといった仕事が候補に挙げられます。
ワーキングホリデーを「キャリア資産」に変えるためにしておきたいこと

ワーキングホリデーの経験を、「ただ楽しかった」「よい経験をした」で終わらせないためにも、下記の5つについて確認しておきましょう。
ワーキングホリデーに行く前のほうがより具体的な対策が立てやすくなりますが、帰ってきた後でも大丈夫です。まずは自分の経験とスキルの棚卸しをしましょう。
ステップアップのためのチェックリスト
1.帰国後(今後)、どんな仕事に就きたいか
漠然とした「英語を使う仕事」ではなく、具体的にどのような仕事なのかを想定しておくと、やるべきことが明確になります。
事務職、営業職、カスタマーサポートなど、就きたい職種は何か。人材育成や企画などの業務についても、どのような仕事を希望しているのかまで深掘りします。
また、日本企業か、外資系か、英語がメインとなる仕事なのか、補助的に使う仕事なのかによっても、必要となる英語力が変わってくるので、志望を明確にしておきます。
2.その仕事に必要な「英語以外のスキル」は何か
具体的な仕事が想定できたら、英語以外で特に必要とされるスキルを洗い出します。
書類などの作成能力や、データ入力・管理スキル、商品などの受発注管理、社内外との調整力、企画力、会議のサポートなど、求められるスキルは数多くあります。
3.今の自分にスキルはどれくらいあるか
必要とされるスキルに対して、今自分が持っているスキルが足りているのかどうか、一度整理してみるのも大切です。職歴や業務経験だけではなく、その他のスキルも含めて考え、どのような仕事ができる人かを説明できるようにしましょう。
4.ワーホリ中の経験を「スキル」として説明できるか
事前に実務経験を重ねても、現地でオフィスワークに就けない可能性はあります。希望する職で働けなかった場合でも、どのような経験ならキャリアアップにつながるのか、関連性を見出しましょう。
例えば、接客業であってもオフィスワークに通じるスキルはあります。飲食店勤務でフロントの接客中心の仕事でも、発注管理や新しく入ってきた人の教育係、業務フローの改善提案などの経験があれば、オフィスワークのキャリアや経験に繋がります。
どのような仕事であっても、ワーキングホリデーでの経験をこれからの仕事にどう生かせるかのストーリーが自分の中にしっかりとあれば、語るべき経験となります。
5.最終的に目指す仕事に繋がるスキルは何か
1と2では方向性の確認を、3では現状の把握をしました。4は、3で把握した現状を、どのように今後につなげていくかのシミュレーションになります。最後に改めて、目指す仕事に繋がるスキルでありながら、現状、自分が持っていないものを習得するために、どんな仕事をすればよいかを求人情報を参考にしながら考えましょう。
英語学習は継続+資格で「見える化」
英語を活用した業務に就きたいのであれば、英語の継続的な勉強は必須です。ビジネスに必要なレベルの英語が身に付くよう、英語の勉強は続けましょう。もちろん、帰国後も同様です。派遣なら実務経験を身に付けながら、勉強の時間が確保しやすくなります。
また、TOEICやTOEFL、IELTSなど英語力を証明できる資格を取得しておきましょう。「ワーキングホリデーに行きました」だけでは英語力の証明にはなりません。
実際の求人を検索してみると、応募資格の英語スキルの指標がわかります。英語力を必要とする業務にはどのようなものがあるのか、どのようなスキルが必要なのかなどを確認すると、目標が具体的になります。
まとめ:ワーホリはゴールじゃない。キャリアの通過点
ワーキングホリデーの経験は、人生を豊かにする貴重なものです。 一方で、それを就職やキャリアにつなげるためには、戦略的に活用していく視点が欠かせません。ワーキングホリデー中に経験した仕事が、直接的にキャリアアップにつながらないものでも構いません。大切なのは、その経験をどう活用していくのか。その手段の一つとして、派遣という働き方があります。せっかくのワーキングホリデーの経験を「思い出」にするのではなく、派遣と組み合わせてキャリアをつくっていきましょう。
このカテゴリーのおすすめ記事
常時募集の求人
通訳の求人

